果たして人が出来る最も素晴らしい歯科医療とはどんなものでしょうか?
歯医者さんは、美味しく食事が出来て、見た目も美しい歯や口元になるようにする事を職業にしている人です。では最も素晴らしい歯科医療とはどんなものでしょうか?

これはとても難しい問題ですが、これが分からないとどこに向かって進んで行けば良いのか分からないと思い何時からかこの答えを探すようになりました。何年もの間この事に答えを出せないでいたのですが、ようやく自分で納得できる答えを探す事が出来ました。

数学の世界でポアンカレ予測という難問が100年かかって数年前に解決されましたが、その過程で幾つかの難問が解決されて行きました。同じように人が出来る最も素晴らしい歯科医療とはどんなものでしょうか?に対する答えを出すには、そもそも人の幸せとはなんなのか、また、人は感謝するのであろうか、この2つの問に回答を出さないといけない事が分りました。この問題は人の根幹に関わる事ですが、まずこの問いかけに答えを見つけて見たいと思います。

1、人の幸せ
2、人は感謝するのか

1、人の幸せとは何だろうか
人の幸せですが、あらゆる業態が人の幸せに関わって成立しています。
全ての経済活動はもちろんの事、ボランティアも含めて人の活動の全てがそうでしょう。
車は貴方を幸せにします。そう言って販売します。レストランでの食事は貴方を幸せにします。そう言って営業します。
歯科医院も同じです。
前歯を綺麗にすると貴方は幸せになりますよ。
今の痛みを取ると貴方は幸せになりますよ。
それでは果たして人の幸せとは何でしょうか?

以前私は幸せには4つの尺度が有るという話を聞きました。
1、健康、2、お金、3、愛情、4、自己実現
その時はなるほどと思いましたが、もしそうなら無人島で暮らすのはどうだろうか?
愛情も、健康も、お金も無くても暮らせればそこそこ幸せに思うのではないだろうか
と、疑問が沸いて来ました。
大金持ちになってロールスロイスに乗りたい。
私は車に興味は有りますがそれほどの情熱は有りません。そんな私は砂漠でロールスロイス、或いは人のいない所で凄いだろうと、フェラーリに乗って走っても幸せを実感するのでしょうか?あくまで他人が「いいな〜〜〜うらやましいな〜〜〜」と思って見られているから幸せなのであってそれはかなり相手に左右されてしまう。大金を払ってロールスロイスや、フェラーリに乗っていても燃費の競争したらホンダのスーパーカブには遠く及ばない。プリウスにも大敗する。バカではないだろうか、あんな車に乗ってと、言われてしまう。これでは全く幸せではない。あくまで車にはルパン3世に出てくる不二子のような美女が居るのでは、、きっと寄って来るかな??などと考えて営業の人に「先生だったらこの車似合いますよ〜。車も喜びますよ〜」などとおだてられて、そうかな〜、だったら、、、買おうか、、でも、、ほんとかな〜等と考えるのです。
しかしそれはあくまで私の場合で、診療のユニットは世界最高の機械を使っていてそれは自分がとても欲しかったのです。不二子のような美女が居なくても、おだてられなくても、欲しかったのです。買う事に決めたときに自分の物として使えると思うと、嬉しくて涙が出ました。

そんな事を考えているとどこからか一瞬、答えが降りてきました。

(答え)
幸せとは

その人が所属する社会において、その人自身或いはその人の向かう将来が実現出来る事




2、人は感謝するのか

もしこれを読んで下さっている方が足の不自由な方の場合、足があれば色々と便利なのに、と思われる時が有ると思います。心臓に持病のある方はなんとなく不自由で心配だと思っておられたりしていると思います。しかし、健康でピンピンしている人は足が有って有り難いとか、心臓が今日も元気に動いてくれて有り難いとは気がつかないものです。そもそも人はこの世に生まれて来た時に神から物凄いギフトをもらってこの世に現れると言えます。でもほとんどの人は文句や、不満や、心配事が有るものです。朝、昼、晩毎日100回感謝しても感謝したりないほどのギフトをもらってこの世に現れるのに道を歩いても、生きていれる事に感謝して感謝して感激している人に出会う事は有りません。
今日も心臓が動いてくれた、肝臓も、腎臓も、胃も腸も、手も足もああ〜〜〜なんて幸せなのだろう。この世はばら色だ!!と感激して感激して涙を流して当然です。
でもこれを読んで下さっている方自身も、また知り合いにもそんな人はいるでしょうか?
これが現実です。黙って当たり前のように何時もただで動いてくれる手、や足、心臓や肝臓にすら感謝出来ないのがほとんどの人です。健康であればそれが当然と思ってしまいます。ましてや人が少々のお金や、好意に感謝などするはずが有りません。もししたとしてもその時だけの事です。

(答え)
人は感謝するか
人は基本的に人に感謝しません。


理想のレストランを作ろうと思った時に最初に考える事はお客さんが喜んで笑顔で食事している姿ではないでしょうか?しかし、その気持ちがずっと持続して行くことはとても難しくほとんどの人が挫折してしまいます。理想の歯科医院も患者さんがとても喜んでもらえる歯科治療を追い求めて行くと苦しい状況に追い込まれます。つまりレストランでも、歯科医院でもやっている側が来てもらえるお客さん(患者さん)に感謝するようにしないといけないのです。
人の幸せはその人自身或いはその人の向かう将来が実現出来る事としました。自分が歯科医師で歯科医院を開業して歯科医療をしている以上自分は幸せです。もし自分がそれを望んでいたのなら実現できたのですから。しかし欲を言えばいくらでも有る筈で、それがその人の向かう将来です。同じやっているでも既に明らかな学術的知識や、テクニックを使いこなせてレベルの高い診療がやれて充実していて、スタッフも一緒になって向上心をもって進んでいる。そんな歯科医院が、そんな歯科治療がやれるなら最高です。患者さんの満足は当然ついて来るものですが、その事は副産物であってそこに主眼は有りません。そしてそれに加えてそんな診療が毎日やれるとすれば幸せで有る事に感謝したいと思います。
私は中学1年の時には自分が現在のように開業して診療している姿を思い浮かべる事が有りました。ギタリストや、貿易商に魅力を感じた事も有りましたが、それは鮮明な映像としては浮かばなかったのです。ぼやけた、弱いものでした。歯科医は違いました。自分が診療している姿が自然な形で見えていたのです。素晴らしい恩師にも出会い、今までたぶん10万人は越える患者さんの診療をして来ました。今後もできるだけ素晴らしい診療をしてそれが出来る事に感謝して、幸せでいたいです。

ここまで読んで下さり有難うございました。